2004-09-13 Back to HomePage
 
こんにちは、自然風景写真館の鳥越です。

自然風景写真館ブログの第85号をお届けいたします。





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§1.ギャラリー更新情報
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 Photo Gallery『フォトギャラリー』は、このブログ発行に合わせて
毎週月曜日に更新されます。今週の新作は以下の通りです。
http://tory.com/
にアクセスして、 Photo Gallery『フォトギャラリー』のページをご覧になって下さい。 ■ギャラリーに追加された新作リスト Img02081 "The flowers in the night. #010" 『夜の華 #010』 Img02090 "The dancing lights." 『光が踊る』 Img02100 "Mt.Yarigatake with sea of clouds." 『雲海と槍ヶ岳』 Img02257 "It's Sanehara avenue of cherry blossom trees." 『真原桜並木の春』 Img02278 "The morning of a farm." 『畑の朝』 Img02302 "A white lines." 『ホワイトライン』 Img02309 "The coloring of the valley." 『渓谷の色彩』 Img02364 "The green color in the forest." 『森の中の緑』 ■ギャラリーから削除された作品リスト --- 削除された作品はありません --- =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §2.今週の新機能 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ・今週の新機能はありません。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §3.今後のリニューアル予定 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ・作品人気投票ランキング集計画面 ・「お気に入り」システムの作成 ・フォト検索ページの作成 ・お勧め撮影スポット検索ページの作成 ・写真販売システムの作成 ・撮影機材紹介 ・特別展示室(タペストリー表示など) =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §4.季節の便り =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  俗に『暑さ寒さも彼岸まで』とは言いますが、厳しい残暑はまだしばらくは続 きそうですね。しかし朝晩は突然冷え込んだりするものです。みなさん、お体に はくれぐれもお気を付け下さい。  さて先週は前々から行ってみたいと思っていた、信越の名山、『苗場山』 (なえばさん)に行って参りました http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E138.41.17N36.50.40&ZM=5
 『なえば』と聞くと、若い人の間では、まず「スキー場」を連想する方が多い ことでしょう。その地名の響きからは開放的なウィンタースポーツのシーンと、 恋の予感を感じさせるストーリーが思い浮かぶかも知れません。(笑)  しかし今回訪れたのは、純粋な『山』としての苗場山です。もともと苗場山の ふもとに作られたスキー場だから『なえばスキー場』と言うのですから。  さて、早朝に関越自動車道を飛ばして、新潟県に入り、塩沢町のインターを降 りて、山をひとつ越えて津南町に入ります。そこからさらに車で小1時間ほど南 西方面に渓谷沿いの狭い道を走ると、渓谷美で有名な『秋山郷』(あきやまごう) にたどりつきます。苗場山は決して大変な山ではありませんが、このアプローチ の遠さにはちょっとうんざりしてしまいます。  ちょっと寝不足気味ですが、集落の駐車場に車を停めて沢沿いの登山道を歩き 始めました。天候は雨模様でさっそくぽつりぽつりと霧雨が降り出したので、カッ パを着込んで登って行きます。まだ時期的にはそれほど寒くはないので、かえっ て湿度が高くて蒸れてしまいます。大汗をかきながら登山道を登って行きます。 しかし沢沿いの道は水の流れに沿って進むのでそれほど急ではなく、快適に登っ て行くことができました。  上信越の山々は、山頂に登ることよりも、ふもとに広がる豊かな森を見るのが むしろ私にとっては大きな楽しみです。さっそく、目の前に展開された爽やかな 緑の森の美しさに目を奪われました。
 道を登っている途中に、何かに引かれるような気がして立ち止まれば、そこに は力強く森に根を下ろして枝を四方に広げる木々達の姿がありました。
 森が深くなれば、雨もさえぎられて落ちては来ません。カッパの覆いをとって、 しばらく森の中にたたずんで、静かに耳を澄ませながら周囲に神経を集中してい ました。  しとしとと葉を叩く静かな雨音、そして時々遠くから、透き通るような野鳥の 鳴き声だけが聞こえてきます。  森をさらに進むと、大きな大木が倒れて登山道をふさいでいました。折れた傷 跡はまだ新しいものです。どうやら先週の台風で倒されてしまったのでしょうか。
 自然の猛威にさらされて、抗いながらも力つきて倒れたのでしょう。自然の摂 理の厳しさを見せつけられました。  さて、なんとか倒木を乗り越して、先に進みます。道は沢沿いから尾根沿いに なりました。尾根の道は地形的に尖った部分を進むので、左右は切れ落ちた崖に なっています。崖は長い年月の雨雪風による浸食によって、徐々に削れて行きま す。  一本の樹木がその削れた稜線に、やっとのことで根をへばりつかせて、倒れま いと必死に耐えていました。その樹木の下は何もない崖になっています。地面に 張り巡らせた根っこだけが、彼の巨体をかろうじて支えているのです。ものすご い執念を感じます。
 さらに先を進むと、傾斜がきつくなってきました。この山は、山上台地が近づ くにつれて徐々に傾斜がきつくなっているのです。その傾斜の途中、とつぜん登 山道が崩れ落ちていました。斜面にへばりついて支えていた樹木が、耐えきれず に倒れてしまい、土砂崩れを起こしていたのです。
 自然は美しいだけでなく、とても厳しい一面も持っています。むしろそれが自 然の本質なのでしょうか? 大きな力にねじまげられて、抗うことも空しく、や がては朽ち去ってゆくのが運命なのでしょうか?  しかしそれでも、森には新しい若木が育って、力いっぱい生きようとし、やが てまたこの台地を豊かに覆って行くことでしょう。一本の木について見れば、生 まれ、育ち、そして死んでゆくのが宿命のように見えますが。しかし森全体を見 れば、あるいは山や、この広い大地全体を見れば、生命は常に生まれ変わって、 連綿と続いて行く、だからこそ自然の姿は美しいのかも知れません。  そんな事をぼんやりと考えながら、急登を一歩また一歩と踏みしめながら登り、 ついに山頂に立つことができました。天候はあいにくの雨もようでしたが、しか し山上に達するときには雨も止み、曇ってはいるものの山上台地をすっかり見渡 せるようになっていました。
 秋色の褐色に染まり始めた草原、そこにポツポツと点在する池塘の数々。 『神々の庭園』と呼ばれる苗場山の山上台地に、ようやく立つことができたので す。この広さ、この伸びやかさはどうでしょう。あの急な崖を登ってきた後に、 この草原に遭遇すると、なんだか信じられない気がします。まだ脈打っている自 分の心臓の鼓動がドキドキと聞こえます。そしてヒュウヒュウと、草原を渡って くる少し湿り気を含んだ冷たい風の音も。  しばらく散策を楽しんだ後、苗場山ヒュッテに入りました。
 本当はテント泊にして宿泊費をセーブしたいところですが、しかし湿原地帯の 保護のため、この付近はキャンプ禁止になっているのです。ですので、山小屋に 素泊まりとしました。  しかしやはり山小屋の中は暖かい。山上台地の標高は約2100m、9月とは いえ、曇り空で風が吹けば、とても寒く感じられます。入り口に入るとさっそく ストーブが焚かれていて。湿った靴や衣服を乾かすことができました。感謝感謝 です。  山小屋の裏手の展望台からは新潟方面のやまなみが見渡せます。谷から雲が湧 いては、ちぎれて流れて行きます。まるで生き物のようなその動きに、いつまで も見ていて飽きません。
 残念ながらこの日は雲が多すぎて、夕焼け空にはなりませんでした。山小屋で 自炊をして、そろそろ寝ようかという時間、なにげなく小屋の外に出てみました。 すると、曇っているはずなのですが、はるか地平線の向こうには、ぼんやりと街 の灯りが見えます。
 あれはきっと群馬県の高崎方面の夜景でしょう。華やかで活動的な都市の光が、 この遙かな山上の静かな台地から見ていると、まるで漁り火のようなかすかな淡 いともしびに見えてきます。 〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜  さて翌朝、目を覚まして小屋の外を見ると、なんと空が晴れ渡っています。東 の地平線は白み、雲海の上に青白い光を放っていました。  昨日の雨で湿原の木道はすっかりと濡れて、空の光がその木道に反射して、ひ とすじの光の道を造りだしています。
 やがて、東の空から太陽が登ってきました。みるみるうちに草原は光で満たさ れ、草も露も、いっせいに輝きだします。
 まぶしいくらいの太陽の光。見ていると目が痛くなるくらいです。濡れた木道 が太陽の光を反射して、ますますまぶしさを増していました。
 山上台地は雲の上に浮かび、満々と水をたたえた池塘は、空の青さを映しこん で、深いブルーに染まります。
 昨日の天気の様子からは、半分あきらめかけていましたが、しかし山の神様が きっとご褒美をくれたのでしょう。イメージしていたとおりの『山上の楽園』を 目にすることができたのです。  ひとしきり撮影に集中した後、8:00ごろ、ふたたび山上は霧に包まれまし た。小屋に戻って遅い朝食を済ませて、山頂を後にしました。  下山の途中、リンドウの花に出会いました。深い青紫色が印象的です。
 山上から下ると、空は再び晴れ始めました。青い空にキリリと立つ大樹。
しかしその姿はすでに躯(むくろ)となっています。ここでもまた一生を終えた 樹木の姿を見ました。それでも大地に立ち続けようという意志が少しでも残って いるのでしょうか。最後の一片になるまで、この稜線に立ち続けることでしょう。  尾根を駆け下ると、三本の大樹が融合した凄い根っこを見ました。
 元々は別々の樹木だったのでしょうか。それが狭い稜線上で根を絡ませあって、 共生の道を進んだのかも知れません。  大樹の迫力に圧倒され続けている時、ムシカリ(別名はオオカメノキ)の赤い 実を見つけました。それは鮮やかというよりは、まるで目に飛び込んでくるよう な赤でした。
 実に艶々とした実です。休憩がてらバックパックを降ろして、色々な角度から しばらく撮影に集中していました。  こちらはサルノコシカケでしょうか、漢方薬で高く売れると聞いていますが、、 しかし妙な気は起こさないでおきましょう。
 下山を完了して、林道に出ました。山上の涼しさはもう無く、新潟の里に特有 の蒸し暑さを感じさせる気候になっていましたが、しかし道ばたにはもうススキ が生えそろって穂を揺らせていました。
 林道をぷらぷらと歩きながら、車を停めてある里に向かいます。路傍には、秋 の花が咲いていて目が惹きつけられます。
 これはイチゲの花に似ていますが、、しかしそれにしては時期が遅すぎます。 図鑑で調べてみましたが、良く分かりませんでした。  こちらはツリフネソウでしょうか。水が流れている沢のそばにびっしりと映え ていました。
 秋山郷の里に戻ると、稲穂が実り、ソバの花が咲いていました。もうすっかり 収穫の季節です。
 無事に車までたどりつき、撮影登山は終了です。汗を流すために立ち寄った小 赤沢温泉は鉄分が豊富なのか、底が見えないほどの濃い茶褐色をしており「赤 い温泉」という異名を持っていました。  その日の夜のうちに帰途につきました。津南から塩沢へ向かう峠越えの途中、 ふと夜空を見上げると星がとてもきれいだったので、車を停めて、しばらく見て いました。よくよく見ると、うっすらと天の川も見えます。さすがこのあたりは 空気が綺麗な証拠です。  夜風がとても爽やかで、水田の稲穂をそよそよと揺らせています。  どこからともなく、テンテケテンというお囃子(おやはし)の音が聞こえてき ました。すると田んぼの真ん中に作られた神社らしき建物の周りが、ぼんやりと 光る提灯に飾られています。
 どうやらこの付近の集落のお祭りが催されているようです。ラジカセからは、 民謡の歌声が流れ、子供達は花火や爆竹を鳴らして駆け回っています。 お祭りというと、8月にするものと思っていましたが、この地方では、収穫を目 の前にした9月に行うのでしょうか。  もともと盆踊りは、農家が秋の豊作を祈願するために行うものだと聞いていま す。ならば、収穫の直前に行うのもまた理にかなっているでしょう。 その証拠に、灯籠には『万年豊作』の文字が刻まれていました。
 あの苗場山の山上の湿原の水の一滴が、崖の台地を流れ落ちて沢を下り、やが て麓の田畑を潤してゆくのでしょう。山の姿とそのふもとに生きる人たちの生活 と民俗の一端に触れることのできた取材でした。  これからも自然風景写真館にどうぞご期待下さい。 ※今回の速報用写真には  コニカミノルタのデジカメ DiMAGE-Xt を使用しています。 → http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0303/minolta1.htm
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