2005-11-07 Back to HomePage
 
こんにちは、自然風景写真館の鳥越です。

自然風景写真館ブログの第145号をお届けいたします。




=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
§1.ギャラリー更新情報
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

 Photo Gallery『フォトギャラリー』は、このブログ発行に合わせて
毎週月曜日に更新されます。今週の新作は以下の通りです。
http://tory.com/
にアクセスして、 Photo Gallery『フォトギャラリー』のページをご覧になって下さい。 ■ギャラリーに追加された新作リスト Img02503 "The mountain foot of larch forest." 『カラマツのすそ野』 Img02506 "Setaria viridis in the morning." 『朝のネコジャラシ』 Img02538 "The valley is filled in green color." 『緑に染まる渓谷』 Img02566 "An iron pot of water fall." 『滝の釜』 Img02569 "The view at Yashajin-mountain-pass." 『夜叉神峠の展望』 Img02590 "The silent morning on the top of mountains." 『静かな山の朝』 Img02780 "The puppy looking up." 『見上げる子犬』 Img02783 "The back of cute puppy." 『子犬の後ろ姿』 ■ギャラリーから削除された作品リスト --- 削除された作品はありません --- =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §2.季節の便り =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  このブログが配信される日は、太陰暦の二十四節気では「立冬」にあたります。 難しい話しは分かりませんが、昔の日本人が、「この日から冬らしくなる」とい うことでつけたのでしょう。  温暖化の影響か11月でもまだまだ暖かい日が多く、なかなか冬の気配を感じ ることはできないかと思いますが。高い山の上では霜が降りていて、近づく冬の 香りをかぐことができます。  今週は2カ所、森と山の便りをお届けしましょう。  まずは、先々週に行きそびれた、首都圏に最も近いブナ林として有名な、神奈 川県にある東丹沢の堂平(どうだいら)をご紹介します。 http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E139.10.58N35.28.43&ZM=5
 堂平は、丹沢山塊の主峰(※最高峰ではありません)・丹沢山(たんざわやま) の東の中腹に広がる、なだらかな地形の森林地帯の名称です。  先々週ののブログで紹介した「宮ヶ瀬ダム」の水源のひとつになっていて、 そのため開発や植林をまぬがれ、丹沢山地本来の森の姿が残っている場所のひと つです。  実はこの場所は、私が写真をはじめたての10年ほど前に訪れています。その ころは林道をマイカーで入ることができたので、アプローチも容易だったのです が、有名になるにしたがって車の数が増えたのでしょうか。ある時から林道は通 行止めとなり、1時間半ほどの林道歩きをして、ようやく入ることのできる遠い 場所になってしまいました。  しかし、だからこそ静かな森林浴を楽しめる場所でもあります。車に乗って楽 に来られたとしても、どれほどその良さを味わうことができるか。  ここはやはり、自分の足でたっぷりと歩いて一汗かいてから、その森の良さを 味わいのがいいのではないでしょうか。  さて、先々週と同じように秦野市のヤビツ峠を越えて県道を北に走ります。谷 越しに見る東丹沢の紅葉も、だいぶ色づき始めているようです。
 橋のたもとに車を停めて、林道のゲートをくぐり、徒歩で歩き始めます。マイ カーはもちろん、オートバイの人も入れないように、厳重なゲートがしつらえら れています。
 堂平に着くまでの林道歩きは退屈なものですが、しかしなんでもない風景の中 にも、心惹かれる被写体があるものです。  こちらは、崖崩れ防止ネットの隙間から伸びてきて花を咲かせている野菊たち。
 小さいけれども純白の色を持つ可憐な花が印象的です。暗い谷間では、ますま すその白さが際だちます。  こちらは、土砂崩れの後に芝生を植えて植生を回復しようという試みでしょう か。土壌が流れないように、格子状にコンクリートを固めています。
 傾斜の微妙な曲面と、人工的かつ規律的な正方形の形状が絡み合って、なんと も言えないパターンを描き出しています。そう、まるでアントニオ・ガウディの 建築物の一部を見ているような気持ちになります。  そうこうしているうちに、谷間に光が差し込み始めました。
 周囲の空気はひんやりとして、それはとても小さな水の粒が空気中にただよっ ているせいです。だからこそ、そこに光が差し込むと、その無数の小さな粒子に 光が反射して、朝の空気が光っているように見えるのです。  堂平が近くなってきました。路傍には秋の太陽に照らされて光るススキの穂が ありました。
 よくよく見ると、穂先に黒い小さな粒が見られます。
 拡大してみると、それは「てんとう虫」でした。 いったいどこからやってきたのでしょう。虫たちも秋になると冬眠するのでしょ うか。きっと夏の間は元気に飛び回っていたのでしょう。そしてこれからは何処 へ行って何をするのでしょうか。  長い(といっても1時間半ほどですが)林道歩きを終えて、登山道に入ってさ らに20分ほど歩くと、ようやく堂平のブナ林に到着します。
 温暖化の影響でしょうか。10年前に訪れたときに比べると、紅葉の鮮やかさ は落ちたような気がしますが、しかし訪れた者を優しく包み込むような森の雰囲 気は、以前とちっとも変わっていません。
 胴回りも立派で、気品に溢れるブナの木たち。
 東北地方で見かけるブナと比べても、遜色ありません。  優しい木だけではなく、こちらは、瘤(こぶ)を持った異形の樹木。近くに寄っ て広角レンズで写すと、まるで海の中で見かける別の生き物のようです。
 鮮やかな紅葉は少ないのですが、しかし中には素晴らしい原色の色彩を持つ紅 葉の木も見かけました。
 その素晴らしい輝きには圧倒されます。
 もちろん、露出を多くとって輝きが増したように写す、写真独自のテクニック を使っているので、普通の人がその場で肉眼で見た印象とはだいぶ異なる映像か も知れません。  しかし、それは私がその場で感じた樹木の持つエネルギーを、良く表していま す。むしろ、木から私が感じた心象に近づけるように、カメラを操作して、意識 的にそのようなヴィジョンを作り出すのが、「写真を撮る」という行為なのだと 思います。  それはロボットが機械的に目の前の風景を記録するのとは全く異なる、人間だ からこそできる創造行為なのでしょう。  科学ではまだ解明されていないけれども、生命を司る目に見えないエネルギー がこの世界には満ちていて、西洋ではそれを "aura"(オーラ)と呼び、東洋で は「気」(き)と呼んでいます。  この森にはそのようなエネルギーが満ちていると感じました。堂平の樹木たち がそのようなエネルギーを発するのでしょう。「木」(き)=「気」(き)。ど ちらも日本語の発音は同じです。これは単なる偶然ではなく、日本の国で言葉が 最初にできはじめたころの太古の人たちが、それを感じていたから、そう名付け たのかも知れません。  さて、だいぶ話が横道にそれました。  鮮やかな紅葉の輝きに眼が奪われがちですが、しかし樹木全体の姿を良く眺め てみれば、静かに、しかし力強く大地に根をはる姿にも感じるところが多くあり ます。
 決して派手ではないけれども、大樹の根本に差し込んだ柔らかい光と影が。 その静かな大きな力の存在を浮かび上がらせてくれます。しばらく膝をついて、 じっと眺めていました。昔の自分であったなら、このような写真には興味が無かっ たかも知れません。しかし樹木が年輪を重ねてゆくように、歳月が経てば、人間 である私の者の見方、感じ方も変化してゆくのでしょう。  お弁当を済ませて、ふと谷の方を見ると、傾いた午後の太陽の光が再び森に差 し込み、褐色の紅葉の葉を浮かび上がらせてくれました。
 しかし、見えるのは色彩だけでなく、目に見えない空気のようなものも、明ら かに今の私には見えるような気がするのです。  10年ぶりに訪れた堂平は、変化しているようでもあり、ずっと変わっていな いような気もしました。  それよりも、この世界を見つめる自分自身の、物の見方感じ方が、明らかに変 化していゆくのを感じることができた登山でした。 〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜  さて日は変わって、今度は長野県と山梨県の県境にある南八ヶ岳の西岳(にし だけ)と編笠山(あみがさやま)に登ってきたので、その様子をご紹介しましょ う。 http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E138.20.17N35.56.49&ZM=5
 この時期のお目当ては、なんといっても八ヶ岳の山麓に広がるカラマツ林です。 秋には黄金色の黄葉となり、人々の目を楽しませてくれます。  そのカラマツ林の中に作られた林道を歩き始めると、まだ早い時間の朝の太陽 の光が差し込んで、カラマツやススキの穂を輝かせてくれました。
 登山道はすっかり秋の落ち葉に埋め尽くされて、まるで黄色のふかふかの絨毯 (じゅうたん)のようです。
 もともとなだらかな八ヶ岳の登山道ですが、それらがクッションになって、ま すます登山者に優しく、膝の悪い人でも安心して登れる山道です。  秋色に色づいた葉は、森を覆って、黄色く光っています。

 登山道が林道を横切るときは、視界が開けます。この日は高気圧が頑張ってく れたおかげで、穏やかな雲一つ無い晴天に恵まれました。

 カラマツに太陽の光がたっぷり当たるのはありがたいのですが、しかし写真に するには、ちょっと物足りない。青い空に流れる白い雲があると、もう最高なの ですが、それはちょっと贅沢な望みでしょうか。(笑)  黄葉したカラマツからは、風が吹くとパラパラと盛んに何か降ってきます。そ れは針状の黄葉の落ち葉です。それらが林道や登山道のあちこちに降り積もって、 ますます道を柔らかくしてくれるのです。
休憩所の木の切り株の上にも、それらの小さな葉が降り積もっていました。  登山道を快調に登り、遠くの山々が見渡せる場所までやってきました。まだ冠 雪はわずかですが、南アルプスの雄大な山々が見えます。山頂はもうすぐそこで す。
 ようやく西岳の山頂に到着しました。登山者には人気の八ヶ岳連峰ですが、こ の西岳はあまり有名でないマイナーな山。しかしそれだけに静かな山頂の展望を 独り占めすることができます。  この時は、一組だけ、ご夫婦のハイカーの方がお昼を食べていました。
 その背後に見える急峻な山は、やはり同じ八ヶ岳連峰に属する「権現岳」(ご んげんだけ)です。  崩壊しつつある山体ですが、その切り立った崖が、迫力のある姿を呈していま す。ぜひ冬に撮影してみたい被写体です。  お昼を食べるにはまだ早い。もう少し歩いて、青年小屋という山小屋まで行く ことにしました。  その途中、おいしそうな水の湧き出ている場所を見つけました。青年小屋の水 場のようです。
 近くの木に打ち付けられていた看板は、かすれて良く読みとれなかったのです が「この所、古来より金命水と云う」とあります。  なるほど口に含んでみると、鉱物の味を強く感じました。  はてさて、この命の水は私にエネルギーを与えてくれたでしょうか。できたら 一ヶ月ほどこの場所に住み、毎日飲んでその効能を試してみたい気もしますが、 あわただしい現代社会では、それは難しそうです。  水場があるということは、小屋は近くでしょう。案の定、ちょっと歩いて森を 抜けると、立派な小屋が現れました。
 この小屋のベンチでお弁当を住ませて、小屋を去ろうとすると、岩場の上に広 げられた大量の布団に圧倒されました。
 この晴天を利用して、宿泊客のための布団を干しているのでしょう。小屋の方 のご苦労に頭が下がります。  小屋を後にして、編笠山(あみがさやま)の山頂を目指します。この道は北西 面にあるので、太陽の光が当たりづらく、そのため数日前に降った雪がうっすら と残っていました。
 ようやく見つけた、立冬にふさわしい、冬の兆しです。  山頂に到着すると、再び南アルプスの山体が姿を現しました。多くの登山者が いて、めいめいにくつろいでいます。
 はるか南に目を向けると、富士山が雲の上から顔をのぞかせていました。
 かすんではいますが、眼下には甲府盆地の街が見えます。冬のもっと空気の澄 んだころに、この場所から朝焼けと富士山を撮影すると、きっと素晴らしいこと でしょう。ぜひ今シーズンの冬の撮影プランに組み入れたい場所です。  広くて高い樹木の無い山頂からは、周囲の展望は思いのままです。人気がある のもうなづけます。  こちらは、阿弥陀岳(あみだだけ)の山体。
 午後になると南アルプスは逆光になり、淡く光る山なみがとても印象的になり ます。
 山頂の展望をしばし楽しんだ後、ふたたび森に入って下山を開始します。 八ヶ岳はシラビソやコメツガなどの針葉樹の原生林が多く、密集した濃緑の森は、 広葉樹の鮮やかな色彩の森とは、また違った力を感じさせてくれます。
 しかししばらく歩くと、広葉樹の森も現れるところが八ヶ岳山麓の魅力です。 落ち葉が降り積もって、ふかふかの登山道になっていました。下山の時に足を痛 める心配がないのが嬉しいです。
 日はだいぶ傾いてきて、森の差し込む光はますます弱くなっています。 落ち葉に当たる光がとても印象的で、また懲りずに地面に這いつくばって、葉の 一枚をクローズアップしてみました。
 ちょっと寂しい晩秋の風景にひたっていると、しかし全く紅葉する気配もなさ そうな若葉色をした樹木もありました。紅葉の時期が遅いものなのでしょうか。 少々意外です。
 そうこうしているうちに光がかなり弱くなってきました。そのかすかな西日に 照らされる紅葉の葉は、それが本来持つ赤さに加えて夕日の赤さが加わり、ます ます情緒的な光を放っています。
 登山道を折りきって、再び林道までやってきました。太陽は地平線ぎりぎりま で下りてきて、夕日にシルエットとなるカラマツの林、そしてススキたちが一日 の最後の光に照らされています。
 美しくも、若干の寂しさを感じさせる秋の風景。それをあまり好まない人もい るようですが、しかし秋があるからこそ冬が来る、冬があればこそ、やがて春も 来る。これらの風景も、ただ寂しく見えるのではなく、意味があってそうなって いるのだと思います。  季節の移ろいの一瞬一瞬を大切にしつつ、これからも、そして来年もまた、秋 の写真を撮り続けることでしょう。  これからも自然風景写真館にどうぞご期待下さい。 ◆今回の速報用写真で使用したデジカメ◆ コニカミノルタ DiMAGE-X50 ※コニカミノルタのデジカメ DiMAGE-X50 の詳細はこちらを → http://www.konicaminolta.jp/about/release/2004/0707_02_01.html
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §3.今週のギャラリー新機能 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  今週の新機能は特にありません。 どうぞ今後にご期待下さい。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §4.今後のリニューアル予定 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ・「お気に入り」システムの作成 ・フォト検索ページの作成 ・写真販売システムの作成 ・撮影機材紹介 ・特別展示室(タペストリー表示など) =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §5.その他のお知らせ =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ※ブログのバックナンバーは下記URLにアクセスするとご覧になれます。 → http://tory.com/j/others/index_mm.html
※ご意見ご感想などは ( akio@tory.com ) までお寄せください。 ※このブログは等倍フォントでご覧になることをお勧めします。 ※このブログは自然風景写真館 ( http://tory.com/
) から登録された方、  および、旧・自然風景写真館にご来館いただいた方々にお出ししています。 ※ブログの購読停止をご希望の方は、以下のURLにアクセスしてください。 -------------------------------------- ★自然風景写真館ブログ購読解除ページ -------------------------------------- → http://tory.com/j/others/mailmagazine.html
 もしどうしても解除できない時は、 ( akio@tory.com ) にご連絡ください。 ※メールアドレスご変更の方法は、お手数ですが、一度解除いただいてから、  新しいメールアドレスで再度ご登
 
 
2005-11-07 Back to HomePage
(C) Nature Photographer Akio Torikoshi , All Right Reserved.