2006-10-19 Back to HomePage
 
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 こんにちは、自然風景写真館の鳥越です。


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 前回のブログ増刊「北アルプス・風吹大池(前編)」はいかがでしたでしょ
うか?

 今朝、小田原にある行きつけの写真ショップの店員さんとお話しをしたところ、
「長野県の雨飾山(あまかざりやま)に行ってきたんですよ。けれど平日なのに
スゴイ人出でまいりました」とおっしゃっていました。

 私が行った風吹岳とは同じ小谷村にあり、ちょうど国道を挟んで反対側の位置
にあります。そのためだいたい似たような森の雰囲気を持っているのですが、向
こうの山は天下の「日本百名山」の中のひとつです。ご存じのように百名山には
ツアー登山者が山のように押し寄せてたいそうな混雑になってしまいます。一方、
風吹岳の方はそれに負けない素晴らしい場所だと思うのですが、しかし週末だと
いうのに数人の登山者とすれ違っただけでした。知名度によってこれほど人出が
違うとは驚きです。特定の有名な山にだけ人が集中してしまう日本の登山のあり
かたのひずみを見るような思いでした。

 それは余談ですが、先日に引き続き、月曜日の配信を待たずに、風吹岳の山旅
の後編をお届けしたいと思います。


http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E137.50.14N36.48.42&ZM=5
 星空の撮影も無事に済んで、三脚をふたたびテントの下にもぐりこませ、どう にかこうにか眠ることができました。早朝、日の出前から行動開始です。起きて みると周囲は霧に包まれていました。テントもぐっしょりと濡れています。ポー ルが無いため、大枚をはたいて購入したGORE-TEX製の最新鋭のテントが、まるで オバケのようになっているのが何とも情けないかぎりです。(笑)
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  日の出前に風吹岳の山頂に登ってみました。といっても風吹大池から標高差8 0mほどで登れてしまうお手軽な山です。山頂の展望は霧のために得られなかっ たのですが、しかし日の出とともに霧がみるみるうちに晴れ始め、周囲の木々た ちが琥珀色に染まりはじめました。流れるようなダケカンバの枝葉が、まるで東 の方角に伸びてゆき、太陽の光をつかみとろうとしているかのようです。
( Nikon D50 + SIGMA28-70mmF2.8EX )  霧は晴れ、稜線に雲が流れ、木々たちは乳白色の光を浴びて、次々と目覚めは じめました。
( Nikon D50 + SIGMA28-70mmF2.8EX )  山頂は周囲を樹木に囲まれて展望は得られないのですが、しかし代わりに豊か に生える植物たちが朝の光を反射してつやつやと輝いています。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  山頂で日の出を拝んだ後、池の湖畔に再び降りてみました。さきほどまで白い 霧で覆われていた池は、今は雲一つ無い青空を映し出す一枚の鏡のようになって いました。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  昨日の霧に包まれた神秘的な姿はどこへいったのでしょうか。今日はとても健 やかで爽やかな姿を見せてくれています。  まだ風の無い早朝、水面はほんとうに鏡のようになって、対岸の紅葉した木々 を映し出して、まるでもうひとつの森がそこにあるかのようです。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  しばらく撮影を続けていると、やがて太陽によって暖められた空気のために、 微風が生まれてきました。それが水面を滑るように動き始めると、それまで鏡の ようだった水面にゆらぎが生まれ、そこに写る木々たちの像も揺らぎ始めます。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  その光景は、水彩画の絵の具を薄く塗り広げたようで、情緒的で絵画的な姿と なって私たちを飽きさせません。  朝日を浴びて輝くナナカマドの紅葉です。一昨年に同じ北アルプスの焼岳で見 た紅葉にくらべると色がくすみがちですが、しかしやはり逆光に輝く姿は見事な ものです。
( Nikon D50 + SIGMA20-40mmF2.8EXDG )  その葉の一枚をクローズアップしてみました。朝露がほんのりとついていて、 それがキラキラと光り、優しい透明感を感じさせてくれます。
( Nikon D50 + Ai-Nikkor42mmF2.8P )  葉をすっかり落としていますが、冬に備えて元気を蓄えているような小枝たち。 そこにはたくさんの朝露がついていて。朝日を浴びて踊るように輝いています。
( Nikon D50 + Ai-Nikkor42mmF2.8P )  朝日を浴びるとやがては蒸発して消えてしまう運命と言われる朝露です。しか しその十数分の命の輝きに価値が無いなどと言えるでしょうか。 彼らはこの世界で自分たちの役目を十分に果たして再び空に還っていったのです。
( Nikon D50 + TamronSPAF90mmF2.8マクロ )  湖畔を歩いていると、ふと地面に伸びる自らの影が目にとまり、スナップして みました。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  背中に当たる朝日の光はとても暖かく、ここが標高2000mの北アルプスである ことさえ忘れさせてくれます。  きっとこの池には魚が棲んでいないのでしょう。水はとても透明で澄んでいて、 湖底の様子が手に取るように分かります。風によって水面には次々と波紋が生ま れては、北風に乗って南に運ばれてゆきます。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  こちらは、風吹大池の東にある周囲100mほどの「小敷池」と呼ばれる小さ な池です。その形状から、やはり火山の火口であったことがうかがい知れます。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  こちらも池の周囲には紅葉や黄葉が競うように色づいていました。足早に過ぎ 去ってゆく季節に取り残されないようにと、皆、急ぐように染まっているようで した。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  再び風吹大池に戻り、湖畔周遊道を歩きます。ちょうど池側にあるナナカマド が朝日に逆光になって美しい透明感を見せてくれていました。
( Nikon D50 + TamronSPAF90mmF2.8マクロ )  ここでは黄色や赤や緑の色が入り交じってまるでオーケストラの楽団のような 賑やかさです。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  さて、湖畔周遊道路からは外れているのですが、北に延びる一本の脇道を見つ けました。特に看板などはないので、訪れる人はほとんどいないようです。ほん の小さな池があるようですが、地図には名前も載っていません。  しかしとても気になったので、道を外れて訪れてみることにしました。そうす るとそこがまた実に素晴らしい場所だったのです。ぽっかりと青空を映し出す、 小さいけれどもとても綺麗な池を見つけました。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  池の反対側に回ると逆光になり、周囲の水草がキラキラと太陽の光を反射して 美しく輝いています。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  まだまだ道は続いているようです、今度は池塘のある湿原が現れました。まる で意図して作られた庭園のように見事な段々の草原で、周囲は端正な木々たちの 森に囲まれています。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  青々とした夏の草原の記憶を、ほんのわずかにとどめているかのように、枯れ 残った草花が毅然として立っていました。今は褐色に染まる秋の草原の中で、そ れでも暖かい太陽の光を受けて、雪の降る時が来るまで、こうして立ち続けてい るのかも知れません。
( Nikon D50 + TamronSPAF90mmF2.8マクロ )  本当に抜けるような青空です。雲一つ無い。雲の全くない空は、平板であって 写真撮影では嫌われるのですが。しかしこの素晴らしく限りない青い空を敢えて 撮っておきたかったのです。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  草原はやがてどん詰まりになり、道は無くなってしまいました。時間も限られ ていることですし、そろそろ折り返すことにしましょう。  再びさきほどの小さな池のところを通りましたが、やはり逆光に輝く池と森は 美しい。私の好きな多重露光を使って、その輝きのイメージを写しとってみまし た。
( Nikon D50 + SIGMA20-40mmF2.8EXDG , 多重露光 )  湖畔周遊道は、やがて池から小高い丘の上に登ってゆきました。見下ろすと風 吹大池の全景を見ることができました。コバルトブルーの深く濁りのない青い水 の色がとても印象的です。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  またしてもナナカマドの木を見つけました。発色もさることながらその旺盛な 枝振りに自然と引きつけられてしまうのです。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  Panasonicがドイツのライカの生産基準を満たして投入したレンズ、「DCバリ オ・エルマリート」の威力でしょうか。太陽を画面に入れて撮影してる大逆光に もかかわらず、ややフレアは見られるもののゴーストの発生が全く見られません。 コンパクトデジカメにあって、これは見事なものです。  この PanasonicFX-01は、最近ではかなりのお気に入りです。レンズは逆光に 強いし、ズームのレスポンスも高く、手ぶれ補正はかなり効きますし、なにより ズームが広角28mmから始まるので遠近感を強調した迫力ある画像が撮影でき ます。  不満点は高感度撮影のノイズ処理で FUJIFILM製のデジカメに対して立ち後れ ていることくらいでしょうか。  ともあれ、コンパクトデジカメならそれほど負担は無いので、FUJIFILM の F10 と、この Panasonic FX-01 の2台があれば、ほとんどの状況に対応できま す。  西に見える穏やかな山容をした山は「雪倉岳」(ゆきくらだけ)です。先週寒 気が入ったために、山頂付近は真っ白な雪に覆われていました。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  高台からは風吹大池をどこからでも見下ろすことができます。ミニ湿原のたも とにちょこんと立っている可愛らしい小屋が「風吹小屋」です。今日の朝までは あそこにいたのです。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  池の西にある湿原の端までやってきました。文字通り雪をかぶる雪倉岳と、赤 いナナカマドの赤い色が対照的です。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  それにしても気温が高い。とても標高2000mの秋の北アルプスとは思えま せん。やはり温暖化の結果なのでしょうか。  こちらの湿原でもあちこちにぽっかりと口を開けたような池塘が点在していま した。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  余談ですが、学生時代にゴルフをしていたトリコシは、なんだかゴルフコース のハザードのように見えてしまいます。(笑)  雲一つ無い青空に、どこからともなく「はぐれ雲」が流れてきました。すかさ ず池塘のひとつに回り込んで、水面に映る雲といっしょにスナップしてみました。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  こちらの池塘では、水が太陽の光を反射してキラキラと光っています。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  ほんの1m程度の大きさの池塘ですが、なんとたくさんの輝きがここには詰まっ ているのでしょうか。夏の名残の草花が、そのきらきらとした光をバックにして 立ち続けていました。
( Nikon D50 + TamronSPAF90mmF2.8マクロ )  草原に続く一本の木道。いったいどこまで続いているのでしょうか。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  なにもかもがシンプルで美しい場所です。この世界には「天国に近い場所」と いうものがいくつかあると聞いたことがありますが、ここはきっとそのような場 所のひとつだと思えました。  草原の端は、沢への始まりとなっていました。緩やかなスロープを描いていて、 ここにたくさんの雨がふると、その一粒一粒が集まって、やがて「大河の一滴」 となるのでしょう。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  一面の銀世界となる冬は、きっと絶好の山スキーフィールドとなることでしょ う。  湖畔周遊道を一周して、再び小屋まで戻ってきました。対岸の森は逆光となり 朝とはだいぶ雰囲気を異にしています。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  その名の通り、午後の風吹大池には強い風が吹き付けています。樹木たちはそ の風に吹かれて、葉っぱが踊るようにくるくると回っていました。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  再び朝のテント場に戻ってきました。時刻はもう午後3時ちかくになっていま した。食事も撮らずに撮影をつづけていたので、腹ぺこです。暖かいお湯を沸 かしてラーメンなどを食べて、ようやくひとごこちつきました。  ふと足下に目を向けると、なんとそこにはアカツメクサが咲いているではない ですか。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  これは里の花で本来なら山にはいないはずなのですが。きっと登山者の靴に種 が付いてここまで運ばれてきたのでしょう。人間が生態系に与える影響の是非に ついてはともかく、この花はまったくたいした生命力です。  小屋には秋の午後の低い光が差し込み、あたりの空気は徐々にたそがれてきま した。もうこの週末を過ぎると小屋は冬支度を始めてしまうのでしょうか。ちょっ と寂しさを感じる秋の午後です。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  これ以上遅くなると暗くなってしまいます。名残惜しくもありますが下山を開 始しました。道を下る途中、ちょうど眼前には戸隠山(とがくしやま)が雲の上 に顔を出してそびえています。
( Panasonic LUMIX DMC-FX01 )  こちらも雨飾山に匹敵するくらいメジャーな山です。今日はどのくらいの人が 訪れていたのでしょうか。  一方、こちらの風吹大池は最後まで静寂に包まれていました。見上げればダケ カンバの木々たちが夕暮れの琥珀色の光に徐々に染まり始めていました。
( Nikon D50 + SIGMA20-40mmF2.8EXDG )  見下ろすその表情には険しさは無く、私がまた再びこの地を訪れたとしても、 きっとまた優しく出迎えてくれることでしょう。  秋の山旅を満喫した後、夕暮れのかすかな光をたよりに、私は小谷温泉へと下っ てゆきました。  メジャーな北アルプスにあって静寂をたっぷりと楽しませてくれた風吹大池。 やがて冬になると深い雪に閉ざされ、次の春まで眠りにつくのでしょう。雪が溶 けると若葉が芽生えてくる。季節ごとにどのような表情を見せてくれるのでしょ うか。また機会があれば訪れてみたいと思っています。  これからも自然風景写真館にどうぞご期待下さい。 ◆今回の速報写真で使用したデジカメ◆ Panasonic LUMIX DMC-FX01 → http://panasonic.jp/dc/fx01/index.html
Nikon D50 → http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d50/
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