2007-07-31 Back to HomePage
 

こんにちは、自然風景写真館の鳥越です。

自然風景写真館ブログの第235号をお届けいたします。



★★★ このブログは下記のページにアクセスしてもご覧になれます ★★★








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§1.ギャラリー更新情報
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 Photo Gallery『フォトギャラリー』は、このブログ発行に合わせて
毎週月曜日に更新されます。今週の新作は以下の通りです。
http://tory.com/
にアクセスして、 Photo Gallery『フォトギャラリー』のページをご覧になって下さい。 ■ギャラリーに追加された新作リスト Img04579 "The buxom smiling face." 『ふくよかな笑顔』 Img04587 "A colored leaf of one piece." 『ひとひらの紅葉』 Img04591 "Being held to the tree of the colored leaves." 『紅葉の木に抱かれて』 Img04592 "The faint coloring in the deep ravine." 『深山の色づき』 Img04619 "Yokohama port at the dawn." 『夜明けの横浜港』 Img04622 "The sailing under the cloud in the dawn." 『暁の出航』 Img04624 "Yokohama Bay Bridge under the cloud in the dawn." 『暁雲とベイブリッジ』 Img04635 "The big gingko tree under the blue sky." 『爽空の大イチョウ』 ■ギャラリーから削除された作品リスト --- 削除された作品はありません --- =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §2.今週のニュース =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ★1★ トリコシの個展がこの夏、横浜の西洋館で行われます ★☆  季節はまるで走馬燈のように巡り巡ってとどまることを知りません。今年も気 がつけばもうトリコシの個展の季節がやってまいりました。今年の個展は、横浜 市、小田原市、秦野市の3カ所で予定しております。  まずは横浜市中区にある、港の見える丘公園と元町公園の間にあるオシャレな 西洋館「山手234番館」をお借りして行うことになりました。  期間は8月24日(金)から28日までの5日間です。期間が短いのが恐縮で すが、素敵な場所です。どうかみなさんお誘い合わせの上いらしてください。 トリコシは休憩時間を除いて常時在館の予定です。お待ちしております。  詳細は下記の「個展情報のページ」をご覧下さい。 http://tory.com/j/exhibition/index.html
★2★ トリコシの写真が地元の自然食レストランにて展示されています ★☆  すでに前回のブログでお知らせしていますが。トリコシの地元、神奈川県・ 松田町の寄(やどりき)地区にある自然食レストランで写真展示が行われていま す。  詳細は下記のページをご覧下さい。 http://tory.com/j/exhibition/2007kafoo1/index.html
 ご興味のある方でお近くの方には、ご覧になっていただけると幸いです。 ★☆★ ご注意 ★☆★  自然食レストラン「荷風」のオープン時刻は午前11時です。 割と早めに10時ごろ来られるお客様が多くなっています。 事前に良くDMの文面をお読みになってからご来訪くださると幸いです。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §3.季節の便り =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  前回のメールでお知らせした通り、トリコシは南アルプスに4日間こもってい ました。下界に降りてきたのは月曜日の午後でしたので、そのレポートは今回の ブログには間に合いませんが、来週のブログには掲載しますので、どうぞお 楽しみに。  4日間というと下界ではずいぶんと長い時間のような気がしますが、山上にあっ てはまるでもうあっという間に時間が流れたように感じました。  無事に家にたどりついて事務所の机の上を見ると、うずたかく積まれた郵便物 や宅急便の箱があり、そしてノートPCをLANにつないでメールチェックをす ると、6000通を超えるスパムメールがダウンロードされてしまい(笑)、そ れを見るとやはり4日間という時間の流れを知ることができますが、しかし私の 心の中では、4日間という時間の経過を実感することはできませんでした。  不思議なものです。時間と空間はこの世界で絶対的な基準だと思っていました が、それもまた人の感じ方次第で変化するものなのかも知れません。  さて、前置きが長くなりましたが、今週のブログでは先週に訪れた川崎大師 (かわさきだいし)の風鈴市(ふうりんいち)の様子をお届けしましょう。  川崎大師は関東では有名な名刹ですが、正式な名称は「真言宗智山派・大本山 金剛山金乗院平間寺」というのだそうです。長すぎて目が回ってしまいそうです ね。(笑)  難しい名前はともかく、昔から諸々の厄災を消滅してくれるお寺として有名で 年中参拝客が絶えません。 ※詳しくはこちらを↓ http://www.kawasakidaishi.com/
 風鈴市とは、その川崎大師の境内にて、北は北海道から南は沖縄まで、全国4 7都道府県より集められた約2万個の風鈴が一斉に飾られるイベントです。  川崎市は私の住む町と同じ県内とあって、気軽に行けます。しかし西野はずれ から東のはずれへ、電車では乗り換えが多くなってしまうので、少々コスト高で すがマイカーで訪れました。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  参道の両脇はたくさんのおみやげ屋さんがあり、すでに観光客でごったがえし ています。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  川崎大師では達磨(ダルマ)が縁起物としてもてはやされています。そのため か大小様々でカラフルな達磨が軒先にうずたかく積まれていました。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  風鈴市にあやかってか、境内に入る前からおみやげ屋さんの軒先にもたくさん の風鈴が飾られていました。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  それも綺麗なのでついついカメラを向けてしまいますが、しかしここで時間を 取られていては本物の風鈴が撮影できません。先を急ぐことにしましょう。  表門の前にたどりつきました。さすが関東の名刹。立派な門に圧倒されます。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  境内に入るとここも多くの観光客や参拝客でごったがえしていました。午前中 に来たのに既に多くの人が繰り出しています。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  このお線香の煙を身体にまぶすと厄除けになるのでしょう、老若男女、様々な 人たちがやってきてはさかんに煙をぱたぱたと自分の身体に向けていました。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  このお寺は真言宗ということなので、そのご本尊は弘法大師・空海上人です。 1000年以上も前に生きていた人が、今現在でも日本各地でこうして崇められ ているというのは本当に感心します。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  さてお寺の散策はそこそこに、お目当ての風鈴市の会場にやってきました。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  ご覧のようにテントの中は各県ごとのブースに区切られ、そこにそれぞれの県 でこしらえられた風鈴が飾られています。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  ここからはくどくどとした説明ははぶきます。とにかく美しい各県の風鈴の数 々をご覧下さい。  こちらは茨城県の石で作られた風鈴だそうです。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらは奈良県のガラスで作られた正統派の風鈴です。とても涼やかなイメー ジです。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらは優雅なガラス細工のような風鈴です。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらは、ごめんなさい、県名は忘れましたが、手鞠をイメージした風鈴です。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  これだけ色々なデザインがあると、ただその場で気に入ったからというだけで なく、ご自分の部屋のデザインやイメージに合わせて選ぶのが肝心になってくる でしょう。  こちらは鉄の鈴を籠でかこったデザインの風鈴です。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらも正統派のガラスでできた風鈴ですが、ちりばめられたパステルカラー の模様が可愛らしいです。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  被写体を美しく見せるコツは、やはり美しい光の状態を選ぶこと。写真の原則 は今も昔も変わりません。画像処理では色は作れても美しい光は作れないのです。  テントの外側から撮影しているだけでは面白くありません。スタッフの方に一 言ことわって、テントの内側から撮らせてもらいましょう。そうするとガラスで できた風鈴は外からの光を取り込んで、その透明感がますます際だつことでしょ う。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらはエジプトの砂漠の物語をイメージした風鈴でしょうか。まるでグラス を逆さまにしたようなデザインです。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらは半透明のガラスに新緑や紅葉の葉をデザインした風鈴です。いやはや どれも実に美しい。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  そうかと思えば、こちらはちょっとユーモラスな、「ハロウィン」のカボチャ をイメージした風鈴もありました。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  たかが風鈴ですが、こうしてみると各県の特産品をうまく取り込んで、様々に 工夫してデザインされていることが分かります。本当に見ているだけで楽しくな ります。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  風鈴の楽しみといえばなんといっても、その音色です。風がなければ風鈴は鳴 かず、ということなのか、スタッフの人たちは風が凪いだときにはさかんにうち わを使って風を起こし、風鈴を鳴らしていました。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  それにしても困ったことには、これだけたくさんの風鈴があると、音がまざり あって、それぞれの風鈴の音色が分かりづらくなってしまうことです。特に音の 小さな繊細な風鈴は不利です。こういうところではジャンジャカ派手に鳴る風鈴 の方が有利のようです。  こちらは陶器を使ってネコちゃんをデザインしたものでしょうか。ネコ好きの 方にはたまらない風鈴です。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらは楽器をイメージしたような雰囲気のある風鈴です。いかにも美しい音 色のしそうなデザインです。実際に音を聴くだけでなく、目で見て、その視覚効 果でも楽しませてくれる風鈴です。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらは前回の取材で訪れた富山県は高岡市の鉄風鈴だそうです。高岡市を巡っ ている時に鉄細工のお店をいくつか見かけましたが、その職人さんの作品もここ に飾られているのでしょうか。こういう巡り合わせがあると、なんだか嬉しくな ります。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  こちらはずいぶんと凝った造りの風鈴です。ちょっとメルヘンチックな、それ でいてどこかSFっぽいイメージもあります。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  しかしこういう風鈴は音がそこはかとなくて、この広い会場ではとても聴き取 れません。しかし視覚効果は十分です。家に持ち帰って静かな部屋で耳を傾けて みたくなります。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  これだけたくさんあると、どこの県の作品かまではもう把握しきれなくて、途 中からはもう風鈴の美しさだけに集中して撮るようになってしまいました。凝っ た造りの風鈴を見ると、その作り手はどんな人だろうと想像を巡らしてしまいま す。きっとデザインのしがいのある仕事だったと思います。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  こちらは野草のツリガネニンジンにも似たデザインの、小さなかき氷のマーク がたくさんついた風鈴です。スイカマークも反対側についていて、いかにも夏に ぴったりのデザインです。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  観光客の方々はさかんに風鈴のひもを引っ張って、鳴らして音を確かめていま した。自分の気に入った音の風鈴は見つかったでしょうか。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  再びテントの内側にお邪魔して風鈴を眺めてみます。ガラスでできた風鈴を逆 光で見ると本当に美しくて、しかもそれが風にそよいでキラキラと光ると、本当 にため息がでてきます。
( PENTAX K100D + FA50mmF1.4 , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  いかがでしたでしょうか、川崎大師の風鈴市。今年はもう終わってしまいまし たが、恒例のイベントとなっているようですので、来年のこの頃(7月下旬)。 川崎大師のホームページをチェックしておいて、あなたも訪れてみてはいかがで しょうか。  来週も自然風景写真館にどうぞご期待下さい。 ◆今回の速報写真で使用したデジカメ◆ PENTAX K100D → http://www.digital.pentax.co.jp/ja/35mm/k100d/
FUJIFILM FinePix-F31fd → http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixf31fd/
★★★ お知らせ:ブログ画像の撮影位置情報公開について ★★★  自然風景写真館では、ブログで公開した撮影画像にGPS座標データを含めた まま公開いたします。 (将来的にはギャラリーを含む全ての画像に位置情報を埋め込む方針です)  ブログ画像をいったんお使いのパソコンに保存していただいて、それを下記 に紹介したような地図ソフトに画像をドラッグ&ドロップすると、撮影された場 所に自動的にジャンプして撮影位置が特定できるようになりました。 (1) カシミール3D(※フリーソフトですが地図データは別途必要です)
(2) スーパーマップル・デジタル(※市販ソフト)
(3) プロアトラス(※動作未確認) (4) Adobe Photoshop Lightroom1.0 (※ 画像を取り込んで、メタデータのGPS欄の右矢印をクリックすると、   GoogleMapへのジャンプが可能です) (5) デジカメ解析ツール ExifReader3.50(※フリーソフト) (※1:画像を開いて、ウェブマップ・マピオンへのジャンプが可能です) (※2:画像を開いて、地図ソフトMapfan.netへのジャンプが可能です) ※※※ 撮影位置情報公開にともなう注意点 ※※※ (1) 撮影場所は個人の私有地の場合もありえます(民家の庭先など)   もしその場所に行かれて撮影される場合は、所有者へのご挨拶など   基本的なマナーを守って撮影してください。 (2) 希少植物の棲息域の保護にご協力下さい。   公開された写真に希少な植物が含まれていた場合は、   その場所の保護をお願いいたします。   高山植物の持ち帰りなどは絶対におやめください。 (3) 万が一、撮影位置公開によるトラブルが発生してしまった場合、   自然風景写真館では一切の責任を負えませんのでご了承下さい。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §4. 鳥越のテクニカル・ノート =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  おかげさまでトリコシの右手の腱鞘炎もだいぶ良くなりました。 そこで今週は久々に「テクニカル・ノート」の復活です。  このコーナーでは、 「写真撮影のためのワンポイント・テクニック」 「人とはひと味違った作品づくりのためのヒント」 「新旧カメラの紹介」  といった話題を紹介します。扱う内容については、デジカメ、フィルムカメラ を問わずベテランから初心者の方まで、幅広く色々な話題を扱ってゆきます。 (そのため、紹介する内容に一貫性が無いようにも見えますが、そこはご容赦く ださい。) ------------------------------------------------------------- ◆今週のテーマ:「ホワイトバランス取っていますか?(2)」◆ -------------------------------------------------------------  数週間ほど前にコンパクトデジカメでのホワイトバランスのとり方の説明をし ました。 ※参照:自然風景写真館ブログの第227号 http://tory.com/j/others/mm_backnumber/2007-06-05.html
 ホワイトバランスは様々な光源下で「白いものを白く写るように色を調節する」 機能と一般には説明されています。  言葉だけで説明すると簡単なことのようですが、これがなかなか一筋縄では行 かないのです。フィルム時代から写真をやっている人間は「デジカメの色ってな にか変だよね」ということを多くの方が感じているようですが、その一つの原因 はこのホワイトバランスの設定の問題にあるのだと、私は気づくようになりまし た。  ここでは「色温度を上げれば赤っぽくなる」「色温度を下げれば青っぽくなる」 といった教科書的な知識より一歩先に踏み込んだ話しをいたします。  コンパクトデジカメで気軽にスナップするだけの方には今回の話題はちょっと (いや、かなり?)難しいかも知れませんが、一眼レフデジカメを使って作品作 りに挑戦したいと思っている方はぜひ目を通されてください。 ◆ ホワイトバランス決定の難しさ ◆  まずこちらは、RAWファイルをPhotoshopCS2の CameraRawプラグインで開いた 画面です。
 するとパネルの右側に様々なパラメータを調節するスライダが現れますが、そ の上に方にホワイトバランスを調節する項目があります。
 問題点のひとつは、カメラが異なると、ホワイトバランスの値も違ってくるこ とです。  画面に写しこまれた色をカメラが独自に判断して計算して値を算出する「オー ト・ホワイトバランス」では、カメラごとにアルゴリズム(計算手法)が異なる ので値が違ってくるのは当然としても、困ったことには、標準と思われる「太陽 光」にセットしたとしても、色温度やこの色かぶり補正の値が同じにならないと いうことです。  ここでは省きますが、同じカラーチャートを同じ光源下で複数のカメラで「ホ ワイトバランス=太陽光」にセットして撮影したとしても、白色面の値がばらば らになってしまいます。  問題点の二つめは、ホワイトバランスは色温度の調節の他に「色かぶり補正」 というパラメータがあります。実はこれがくせ者なのです。
 色かぶり補正とは、元々は蛍光灯などの下で撮影された被写体が、光の波長の 関係で緑っぽく写ってしまうために、それを補正するために、グリーンとマゼンタ の間の色調整をするために設けられたものです。  では、「RAW撮影なら、現像時に色温度のパラメータを調節できるのだから、 そんなに神経質にならなくても良いのではないか?」という意見も聞かれそうで すが、しかしこれがそう簡単ではありません。「色温度」だけなら良いのですが、 「色かぶり補正」のパラメータが加わると、その2つの値の組み合わせは無数に 存在し、スライダをあれこれ動かしているうちに、自分が求めている色がなんだっ たのか分からなくなってしまうのです。  仮に画面を見ていて「よしこれでOK!」と納得できたとしても、それが本当 に「見た目に近い色」なのかどうか自信が持てるでしょうか。私は持てません。 人間は赤い色ばかりを見ていると、赤に対する感覚が鈍ってくると言います。画 像調整でもそれと同じようなことが起こるでしょう。自分が良いと思っているの は単なる思いこみである可能性が大きいのです。  というわけで明確な基準となるものが必要となります。そうすればRAW現像 時にあれこれ悩まなくても良くなり、時間のロスも防げます。基準ができること で、はじめてそこをスタート地点として、自分なりの補正もかけられるようにな るのです。 ◆グレーチャートを画面の中に写しておきましょう◆  まずは「一定の光源下で撮影できる」という条件つきでの場合です。室内撮影 やスタジオ撮影で使われる方法です。  撮影の一番最初に画面の中にあらかじめグレーチャートを写しこんでおくので す。
 カメラのオートホワイトバランス設定による色温度と色かぶり補正の値が画面 に表示されます。これは現時点では信頼できる値ではありません。(ずいぶんマ ゼンタに寄っています)
 そこでRAW現像ツールの中の「ホワイトバランスツール」を使ってみましょ う。
 これを選択してから、画面に映しこんだグレーの部分をスポイトします。
 グレーの部分とは、RGB値が同じ値になるはずですから、それを基準にRA W現像ソフト(この場合は Adobeの CameraRaw )はホワイトバランスを算出し ます。
 これがその光源下での最も信頼できるホワイトバランスの値ということになり ます。  ここで得られた2つの値を、他の全ての画像の現像時にコピーすれば、全ての 写真が信頼できるホワイトバランスで現像できることになります。 ◆ カスタムホワイトバランスをセットする ◆  次の方法は、様々な光源下で撮影する場合、あるいは、RAW現像する時間が 無く、撮影時にJPEG保存でホワイトバランスを決定しておかなければならな い場合です。 (しかし後に述べるように、RAW現像時にもこの方法は有効です)  まずはやり方をご説明しましょう。お使いのカメラのマニュアルにも書かれて いると思いますが、まずは基準となるグレーもしくはホワイトの物体を用意しま す。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  画面でご紹介しているのは Kenkoから発売されている白面とグレー面を持つコ ンパクト・レフ板です。私は草花の撮影の時などに重宝するのでいつも持ち歩い ています。  基準となる物体のカラーニュートラル度(つまり、本当に正確にRGB値が同 じかどうか)は非常に重要ですので、本当に厳密な仕上がりを目指したいのであ れば、写真業界で信頼されているグレタグマクベス社のカスタムホワイトバラン スカードを使用することも検討すべきでしょう(少々高いですが、1万円!)  もちろん、手元にそういうものがなければ、コピー用紙やあるいはティッシュ でもかまいません。(当然、そのティッシュがクリーム色をしていれば、ホワイ トバランスはずれてしまいますが・・)  信頼できるチャートを使うに越したことはありませんが、しかしやらないより は遙かにマシです。少なくとも「グリーン−マゼンタ」の色かぶり補正の振れを 抑えられるだけでも効果があります。  準備ができたらカメラのメニュー画面を出し「ホワイトバランス」の「カスタ ム」を選択します。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  上記のカメラはPENTAXのものですが、ここでは「マニュアル・ホワイトバラン ス」と呼んでいますね、そしてなぜかニコンでは「プリセット・ホワイトバラン ス」と呼びます・・・、マニュアル、カスタム、プリセット、、、早く業界で用 語を統一してほしいものです。(ただし、記号は統一されているようです)  話しがそれましたが、カメラを基準物体に向けてホワイトバランスをセットし ます。
( FUJIFILM FinePix-F31fd )
( FUJIFILM FinePix-F31fd )  このときの注意点としては、 (1)フォーカスが合わないとセットできないカメラが多いので、    MF(マニュアル・フォーカス)にしておく。 (2)基準値を図るのが、画面全体なのか、中心部のフォーカスエリアだけなの    か事前に説明書を良く読んで確認しておく。 (3)露出が正確でないとセットできない場合があります。    Mモードではなく、AモードやPモードがオススメです。  といったことが挙げられます。  上記のことが原因でホワイトバランスがどうやってもセットできないことがあ ります。しかしそのあたり親切に教えてくれるカメラは少ないようで、画面にた だ「カスタムセッティング・エラー」とだけ表示されて、なにが悪いのか分から ずに右往左往してしまいますのでご注意を。 (そういう私も最初のころはそうでした)  それと追加の注意点として、 (4)あまりカメラの正面にチャート板を向けすぎると、反射のテカリの影響で    正しい値が得られないことがあるので、少し角度をずらすのがコツです。  色々注意点がありますね。ふー。初心者の方は疲れてしまうことでしょう。  しかしこうしてセットされた値を使って以後撮影を続ければ、それは(かなり 信頼のできる)ホワイトバランスで画像が記録されることになります。  論より証拠、いくつかの画像をご覧に入れながら説明しましょう。 ◆ ホワイトバランス=カメラ側で「晴天」にセットした場合 ◆  下の画面は、カメラのホワイトバランスを風景写真ではおなじみの「太陽光」 にセットして撮影したRAWファイルを現像ソフトで開いた時の値です。
 ご覧のように「太陽光」は5000Kと定められているにもかかわらず、微妙 に値がずれています。  そのときの画像は下のようなものです。
( PENTAX K100D + SIGMA18-125mmF3.5-5.6DC , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  これはこれで悪くないように見えますが、私がいつもデジカメ画像に対して感 じている「クリームを混ぜたような色合い」になっています。 (みなさんのモニタでどうご覧になってるかは分かりません。  本当はカラーマネージメントされたモニタで  ご覧になっていただけると理想なのですが・・・)  カメラによっては同じ「太陽光」でも「晴天」と「快晴」といった2つのモー ドが搭載されていたりして、ユーザーはどちらを選んで良いのか、迷ってしまい ますし、いずれを選んだとしても、それはあくまでカメラが示す一つの目安にすぎ ず、微妙に変化する自然の光の中では結局基準とはなりえないのです。 ◆ ホワイトバランス=カメラ側で「曇天」にセットした場合 ◆  次はカメラの側で「曇天」を選んだ場合です。ご覧のようにRAWファイルを 開いたときに色温度の値が上がりました。そして「色かぶり補正」の値もかなり マゼンタに寄ってしまっています。
 その画像は下のようなものです。さらにクリームがかかったような不自然な色 合いになってしまいました。人物の肌が健康的に見えるというのでしょうが、風 景写真では明らかに不自然です。
( PENTAX K100D + SIGMA18-125mmF3.5-5.6DC , PhotoshopCS2よりRAW現像 ) ◆ ホワイトバランス=RAW現像ソフト側で「曇天」にセットした場合 ◆  「RAW現像ならホワイトバランスを後からいくらでも調節できるから」とい うので、それではRAW現像ソフトの設定で「曇天」を選んでみました。  すると、さらに色温度が上がってしまいました。(ただし色かぶり補正は少し 下がっています)
 その画像はこちら。確かに空は曇っていますが、残念ながらとても自然な画像 とは言えません。
( PENTAX K100D + SIGMA18-125mmF3.5-5.6DC , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  上記の画像は Adobe の CameraRawの示す値でしたが、もちろん SilkyPix な ど、RAW現像ソフトが異なれば、示す値も当然違ってきます。 ◆ ホワイトバランス=カメラ側で「カスタム」をセットした場合 ◆  結局のところ、やはり基準となるのは撮影時にその場の光を計って決定した値 に他ならないのです。こちらはカメラ側でカスタム・ホワイトバランスをセット して撮影したRAWファイルの値です。
 ご覧のように、だいぶ色温度が下がって、色かぶり補正はグリーン側によりま した。  その画像は下の通り、緑がシャキッとしたとても見た目に自然な風景写真とな りました。
( PENTAX K100D + SIGMA18-125mmF3.5-5.6DC , PhotoshopCS2よりRAW現像 )  ただし、曇天下なので、もちろん人物の肌がやや青みがかっています が、しかしそれが「自然な見栄え」なのです。それが気になるようなら、そこの 値をスタート地点として、自分の好みで色温度のスライダを上げてゆけばいいの です。  明確な基準があってこそ、後の補正もやりやすくなります。  いかがでしたでしょうか。私は一眼デジカメを使い始めた当初のころ、「カメ ラによって色合いが違う」、「クリームを混ぜたような、くてっとした、意気地 のない色味になる」というのがとても気に入らなかったのですが、この「ホワイ トバランスのセット」を意識して行うようになってからその悩みからだいぶ解放 されました。  デジカメ写真は初心者のころは「画像処理でなんとでもなる」と思われがちで すが、やればやるほど、露出や、今回ご説明したホワイトバランスなどを、撮影 時に厳密にセットしておくことが、後の作業を楽にして、クオリティの高い画像 を作りやすくなる、ということがご理解いただけたでしょうか。  後から大量のRAW現像処理をする方ならなおさらです、面倒がらずに撮影時 にホワイトバランスをセットしておくことを習慣づけておきたいものです。  今回はかなりハイレベルなお話になってしまいました。 うまくご説明できたかどうか自信がありませんが、みなさんのデジカメライフの 一助になれば幸いです。  来週もどうぞご期待ください。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §5.今後のリニューアル予定 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ・特設展示「さくら」コーナー ・「お気に入り」システムの作成 ・フォト検索ページの作成 ・写真販売システムの作成 ・撮影機材紹介 ・特別展示室(タペストリー表示など) =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §6.その他のお知らせ =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ※ブログのバックナンバーは下記URLにアクセスするとご覧になれます。 → http://tory.com/j/others/index_mm.html
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