2009-01-13 Back to HomePage
 

こんにちは、自然風景写真館の鳥越です。

お元気にお過ごしでしょうか。

自然風景写真館ブログの第311号をお届けいたします。



★☆★ このブログは下記のページにアクセスすると快適に覧になれます ★☆★




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§1.ギャラリー更新情報
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 Photo Gallery『フォトギャラリー』は、このブログ発行に合わせて
毎週月曜日に更新されます。今週の新作は以下の通りです。
http://tory.com/
にアクセスして、 Photo Gallery『フォトギャラリー』のページをご覧になって下さい。 ■ギャラリーに追加された新作リスト Img06074 "Mt.Fuji is wrapped the bubble with clouds." 『沸き立つ雲に包まれて』 Img06074 "Mt.Fuji is wrapped the bubble with clouds." 『沸き立つ雲に包まれて』 Img06107 "A maiden at the highland." 『高原の乙女』 Img06155 "A dancer in late of fall." 『晩秋の踊り子たち』 Img06182 "The land get infused with light." 『光そそがれる大地』 Img06293 "The earth of the moss." 『苔の大地』 Img06374 "A whisper of Orion." 『オリオンのささやき』 Img06918 "I present this rose to significant other." 『このバラを大切な人へ』 ■ギャラリーから削除された作品リスト --- 削除された作品はありません --- =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §2.今週のニュース =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= -------------------------------------------------------------------------- ★☆★ 「トリコシ・デジフォトスクール横浜校」説明会が行われました ★☆★ --------------------------------------------------------------------------  先週の1月6日(火)、横浜市中区にある「かながわ労働プラザ(Lプラザ)」 にてトリコシ写真教室・横浜校の説明会が開催されました。  2008年より「トリコシアキオ写真教室」と題してトリコシの地元・小田原、 松田町を中心に行ってまいりましたが、このたび横浜方面でも開催させていただ く運びとなりました。
( photo39 : FUJIFILM FinePix-S6000fd )  参加者の方々の中でフィルム中心に行っている方はおられないようでした。 (デジタルカメラ専門、もしくはフィルムカメラとデジタルカメラ兼用の方がほ とんど)  そのため、写真教室の名前も現在の時勢に合わせて 「〜 トリコシ・デジフォト・スクール 〜」 と改めさせていただきました。 (※) もちろんフィルムカメラの方を排斥するものではありません。 「写真基礎講座」「撮影会」ではフィルムカメラの方でも御参加可能です。  トリコシの写真教室の特徴は何と言ってもプロジェクタを駆使した分かりやす い講習を心がけていることです、説明会でも資料や講習会、撮影会などの様子の 写真をふんだんに使って参加者の方々に楽しく説明させていただきました。
( photo40 : FUJIFILM FinePix-S6000fd )  横浜校の正式申し込みのページは来週の1月20日のブログ配信と同時に アップされる予定です。  どうぞお楽しみに!  なお、神奈川・県西地区の方々には引き続き写真教室を行ってゆく予定です。 そちらの説明会は1月17日(土)に、下記の要領で開催予定です。ご興味あり ます方はぜひいらしてください。 ◆◆◆◆◆ トリコシアキオ写真教室2009・松田コース説明会 ◆◆◆◆◆ ■日程:2009年1月17日(土)15:00〜16:00 ■場所:松田町・松田町民文化センター・第1練習室 神奈川県 松田町 松田惣領2078番地 TEL: 0465-83-7021 最寄り駅:JR・松田駅、小田急線・新松田駅 http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E139.8.34N35.20.42&ZM=11
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §3.季節の便り =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜 ※ この取材速報の様子を地図ソフトでご覧になることができます。 ◆GoogleMaps http://tory.com/j/others/maps/2009/2009-01-13.htm
◆GoogleEarthファイル http://tory.com/j/others/mm/2009/01-13/2009-01-13.zip
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜  今年は冬型の気圧配置になる日が多く、日本海側では大雪、太平洋側ではから りとした寒い風が吹く晴天が続いています。冬らしいときには冬らしく、今週の ブログは群馬県と長野県の県境にある黒斑山(くろふやま)から見た初冬の浅 間山(あさまやま)の様子をお届けしましょう。 http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E138.31.25N36.24.15&ZM=5
 浅間山は時々噴火をするので有名な活火山です。群馬県・嬬恋村と長野県・軽 井沢町の境にある安山岩質の複合火山で、円錐型をしています。標高は2,568m。 世界でも有数の活火山として知られています。  時々ニュースで紹介されるのでご存じの方も多いことと思います。  浅間山の特徴はなんといっても山肌に刻まれた「縞々」でしょう。 私の登山の友人も「一度は浅間山のしましまを見てみたい」と申しておりまして、 実はトリコシはまだその縞々を写真でしか拝見したことがありませんでした。  浅間山の縞々を見るには浅間山に登ってしまっては撮れません。それに浅間山 は活発な活火山で、火口付近に近づくことは危険です。  そこで、浅間山の外輪山の一角にある黒斑山(くろふやま)というピークに登っ て、そこから浅間山を撮影することにしました。  黒斑山は冬でも車道が通じている車坂峠から登山道を2〜3時間ほど登れば立 つことができる、比較的容易な山です。  浅間山のちょうど西に位置し、山頂付近から眼前に浅間山の迫力ある山体を望 むことができる人気の山でもあります。  さて、例によって夜間の移動で現地に移動し、長野県東御市(とうみし)にあ る道の駅「雷電くるみの里」で宿泊をしました。
( photo03 : FUJIFILM FinePix-F31fd )  目覚めて見れば駐車場付近にはうっすらとした白い雪が積もっています。今日 も寒い一日になりそうです。
( photo04 : FUJIFILM FinePix-F31fd )  車坂峠を目指して車を走らせます、この上にはスキー場があり、冬でも除雪さ れているので助かります。
( photo05 : FUJIFILM FinePix-F31fd )  車坂峠の駐車場で準備をします。それまで雪雲に覆われていたのですが、この 時には時折太陽が顔を覗かせるようになりました。天候は回復傾向のようです。
( photo06 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  車坂峠からの眺望も素晴らしく、晴れていればきっと佐久市の平野が望めるこ とでしょう。さあそろそろ出発しましょう。
( photo07 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  峠からは尾根づたいに登山道を進みます。それほど急な傾斜は無く、初心者で も容易に登ることができるでしょう。(もちろん、冬期に入山するにはそれなり の経験と装備が必要なことは言うまでもありません)
( photo08 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  シャクナゲのつぼみがありました。寒さにかじかんで葉をだらんと下げて、ま るでタコさんのような姿です。6月ごろには見頃を迎えるのでしょうか。
( photo09 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  雪に埋もれつつあるカラマツの若木です。柔らかい無垢な白い雪に少しずつ少 しずつ覆われて、次の春まで眠りにつくのでしょうか。そのような何気ない姿に 静かな感動を覚えます。
( photo10 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  さあ、坂が少し急になってきました。息を乱さないようにして少しずつ確実に ステップを切って登って行きましょう。
( photo11 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  人気の山です、私の前にも何名かの登山者が入っているようでした。そのおかげで すでにラッセル(雪かき)がされていてだいぶ楽をさせてもらいました。  そして眼前に黒斑山の広大な斜面が現れました。規則正しく並んだ針葉樹の衛 兵たちに守られるようにして、この冷たい空気の中に凛然としてそびえる姿に、 思わず声を上げたくなるほどの感動を覚えます。
( photo12 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  山上を過ぎ去ってゆく雪雲は時に薄く時に厚くなり、次の瞬間には山腹を覆っ てしまうかも知れません。光量は十分にあり速いシャッタースピードを切れるの で、三脚を立てるのももどかしく手持ちで素早く撮影します。 (三脚を立てているほんの十数秒の間に雲に覆われてしまうこともあるからです)
( photo13 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  高度を上げて行くごとに黒斑山の山頂も近くなってきました。さきほどは晴天 の明るい姿を望むことができましたが、今この瞬間は悪天候の猛吹雪の中のよう な姿です。悪天から好天に切り替わる瞬間、それこそが山のダイナミズムを最も 伝えてくれる天候だと言えるでしょう。
( photo14 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  そうしてとうとう、尾根の向こうから浅間山が姿を現しました。念願の縞々模 様も見えます。ここはじっくりと三脚を据えて撮るシーンです。
( photo15 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )
( photo16 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 ) (※) 上記2点の写真の色調の違いは下記によるものです。 ・上の画像はカメラまかせのJPEG画像(ホワイトバランスオート) ・下の画像は現像処理によって色温度を上げて冷涼感を増したもの  左手の岩峰が「トーミの頭」と呼ばれるピークです。その岩峰を下ってくるカ ラフルなウェアを着た登山者たちがいます。きっと既に黒斑山の山頂を往復して きた人たちでしょう。
( photo17 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  さて、黒斑山の山頂にたどりつく前に、まずはそのトーミの頭を目指しましょ う。岩峰には強風が吹き付けるために周囲の枯れ木にはたくさんの氷の造形が、 通称「エビのしっぽ」が付着しています。  雪雲は徐々に少なくなり、青空の下、その白い樹氷たちがますます映えます。
( photo19 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  氷の付着する岩峰にアイゼンをきしませ、そしてトーミの頭に立つことができ ました。ここからの浅間山の姿はまさに圧巻です。
( photo20 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  浅間山を取り巻く外輪山の様子もよく分かります。悪天の後の好天、すばらし いコンディションに夢中でシャッターを切ります。
( photo21 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )
( photo22 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  美しい白い山々を眼下に望む、この場所は本当に天に近い場所だとそう感じら れます。
( photo23 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  晴天に恵まれ、爽やかな画像ばかりお伝えしているようですが、しかし気温は もちろん氷点下。ご覧のようにボトルの中のドリンクはカチカチに凍ってしまい ました。
( photo24 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  さて、いったん岩峰から樹林帯の中に隠れて、あらためて黒斑山の山頂を目指 します。雪をかぶった木々の隙間から望む浅間山の姿もまた良いものです。
( photo25 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  浅間山の山頂に到着しました。寒風ふきすさぶコンディションでしたが、それ でもこれまで登った数々の山に比べると易しい山の部類に入ります。それでもこ れだけの浅間山の大展望が間近に得られるのですから、人気が高いのもうなずけ ます。
( photo26 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  そして南に目を向ければ、通称・佐久平(さくだいら)と呼ばれる佐久市の平 野が広がっています。
( photo27 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  この周辺は小県郡(ちいさがたぐん)と呼ばれ、古くは関東〜信濃の国を結ぶ 中山道(なかせんどう)の要衝として栄えました。  余談ですが戦国時代には武田春信(信玄)がこの地の獲得に執着したことでも 有名です。そして武田氏衰退の後は、真田氏がこの土地を治めることになります。  さて、そんな歴史の背景にも思いを馳せながら、下山にとりかかることにしま しょう。今度は南を向いて進むことになるので、逆光のシーンが多くなります。  さっそく樹氷の間から顔を覗かせた太陽の光にトリコシが反応したようです。
( photo28 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  太陽の光が木の陰からほんの少しだけ見えるように、自分が左右に移動してア ングルを調整します。ズームを広角にセットして森の広大感を強調して撮影しま しょう。
( photo29 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  尾根の途中には小さな金属製の非難小屋があります。ここの滞在して、朝夕の 浅間山、そして月光の浅間山を撮影してみるのもよさそうです。
( photo31 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  じっくりと撮影をしながら歩いていたら、下山にかかるころには夕暮れ近くに なってしまいました。
( photo32 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  梢につもった雪も時間の経過とともに少しずつ琥珀色に染まり始めています。
( photo33 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  さきほど登ってきた雪の斜面は強風にさらされて氷の斜面と化していました、 そこに夕照の光があたって、まるで冷たい金属のような輝きを放っています。
( photo34 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  峠が近くなるころ、とうとう太陽は西の地平に沈み始めていました。しかしこ の時間帯が一日のうちでもっとも美しいのです。
( photo35 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  だからもう少し撮影を続けていましょう。その思ったら、登る時に出会ったカ ラマツの若木の姿がまた目の前に現れました。
( photo36 : Panasonic LUMIX DMC-FX35 )  そのカラマツの姿がとても印象的だったので、暮れなずむ夕日の光とともに一 枚撮影させてもらいました。
( photo37 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 )  この微妙な紫色の再現。その時見た印象のとおりだと思います。 (みなさんのお使いのモニタでは多少色が異なるとは思いますが)  峠に着く頃にはすっかり日も暮れて、佐久平の夜景が美しくまたたいていまし た。周囲はどんどんと冷え込んでいますが、しかしこの美しい光を見ているとそ れも気にならなくなります。
( photo38 : FUJIFILM FinePix-S5Pro + SIGMA24-70mmF2.8EXDG )  今日も素晴らしい山の姿に出会うことができました。 感謝の気持ちに満たされて、温泉やおいしいおそばの待っている、あの下界の光 の中へと車で降りて行ったのです。  来週も自然風景写真館にどうぞご期待ください。 ★人気ブログランキングに応募中!  お気に入りいただけたら下のボタンをクリックして下さい。 人気ブログランキングへ ◆今回の速報写真で使用したデジカメ◆ FUJIFILM FinePix-S6000fd → http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixs6000fd/
FUJIFILM FinePix-F31fd → http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixf31fd/
Panasonic LUMIX DMC-FX35 → http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=DMC-FX35
Panasonic LUMIX DMC-LX2 → http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=DMC-LX2
FUJIFILM FinePix-S5Pro → http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixs5pro/
※ 速報用写真は AdobeCameraRaw4.3 にて RAW現像されています。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §4. トリコシのテクニカル・ノート =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  このコーナーでは、 「写真撮影のためのワンポイント・テクニック」 「人とはひと味違った作品づくりのためのヒント」 「新旧カメラの紹介」  といった話題を紹介します。扱う内容については、デジカメ、フィルムカメラ を問わずベテランから初心者の方まで、幅広く色々な話題を扱ってゆきます。 (そのため、紹介する内容に一貫性が無いようにも見えますが、そこはご容赦く ださい。) ------------------------------------------------------------------ ◆今週のテーマ◆「画像処理・なぜ彩度を上げすぎてしまうのか?」 ------------------------------------------------------------------  デジタル画像処理を勉強すると、「明るさ」「コントラスト」「彩度」「色相」 「シャープネス」といった各要素を、ソフト上のスライダをマウスでちょいちょ いと移動させるだけで画像を劇的に変化させることができるので最初はそれが面 白くてやめられなくなります。  最も人気の高い処理は「彩度アップ」だと言えるでしょう。例えば、写真展な どでも鮮やかなプリントが目に付きますし、また昨今のTVではデジタル放送が 主流になりつつあり、画像処理に慣れた私の眼から見ると「ああ、これは明らか に彩度アップをして放送しているな、緑が濃すぎる」というような画像、動画が 目に付くようになりました。  画像処理ビギナー(初心者)のうちは、鮮やかな画像の方がインパクトがある ため、ついつい彩度を上げすぎる傾向にあるようですが、ちょっと待って下さい。 そうした処理には落とし穴があるのです。  中級者の方からは、 「下手に彩度アップしすぎると色飽和の危険があるからでは?」  という声が聞こえてきそうです。 それも一つの危険要素ですが、それ以前のもっと根本的な問題があるのです。  それは人の「記憶色」の問題と関連しています。  今回はそれの話題をご紹介しましょう。 ◆ 「記憶色」とは何か? ◆  このコーナーをご覧になる方々はデジタルフォトについて詳しい人が多いと思 いますので、今さらくどく説明することはいたしません。  簡単に説明しますと、人間は眼で見た光景を物理的に忠実に思い出すのではな く、「記憶色」という主観的な判断を加えて思い出してしまうのです。 ◆例1◆(サクラの花の記憶色)  サクラのソメイヨシノの花の色は純白に近い白ですが、ほとんどの人は「ピン ク色」を連想します。  そのため世の中のサクラの写真は印刷段階で調整を加えて(現在ではデジタル 処理されて)、ピンク色の花となってポスターなどを飾ることになります。  そしてそのようなイメージが世の中に氾濫しているために、ますます人々は 「サクラの花はピンク色だ」という先入観を受け付けられて、ますますサクラの 「記憶色」はピンク色になってゆきます。 ◆例2◆(青空の記憶色)  湿度の多い日本の空の色はたいていの場合、黄色味がかかった水色です。「コ バルトブルー」の空の色は、乾燥した冬の太平洋側など、あるいは夏の小笠原諸 島や、沖縄地方などごく一部の条件でしか見られません。  しかしたいてい、空が入ったポスター写真は意図的に調整されて濃度の高い鮮 やかな空に再現されます。それは観光地を巡った人々の感動を再現するには物理 的に忠実に再現してしまってはNGで、何かしらの処理を施して鮮やかに仕立て る必要があるからです。  ご存じ「ベルビア」というフィルムは光を色素に定着させる時に「マゼンタ」 (紫〜ピンク色)を強くかけることによって、 ・サクラの花をピンク色に ・空の濃度を深く  といった処理を化学的に行っているのです!  これらのことはインチキでもなんでもなく、印刷業界ではごく当たり前のこと として昔から行われてきました。  なのでデジタル処理がインチキだ、いかがわしい行為だ、という方は(失礼な がら)単に間違えた思い込みをされているというだけの話しなのです。  フィルムによる化学的な画像処理、印刷段階でのインク量調整による画像処理。 それらが昔からずっと行われてきたのです。デジタルによる画像処理が悪い行為 ではあるはずがありません。  逆に言えば「記憶色」を再現できなければ、それは「好ましい写真」とは言え ないわけです。  科学技術分野の写真ならともかく、人間の心象の表現手段である写真において は「記憶色」の再現こそが正道だと言えるでしょう。  となると、個人のレベルで上記のような画像処理が身近にできるようになった デジタルの時代は、写真の世界にとって全く歓迎すべき時代になったと言えると 思います。  さて、話しがそれましたが本論に戻りましょう。 ◆ なぜ彩度を上げすぎてしまうのか? ◆  デジタル画像処理で最も人気の高い処理が「彩度アップ」だと言えるでしょう。 スライダ一発で画像が鮮やかになってインパクトを強くすることができるのです。 人気があるのもうなづけます。  しかし一方で「鮮やか過ぎる画像」が目に付くようになったのも事実です。  それはなぜでしょうか?  それにはきちんとした理由があります。  結論から先に言いますと 「人間は同じ光や色を見続けていると、それに順応して、それに対する反応が鈍 くなる」  という傾向があるのです。  実際には眼が判断しているのではなく、脳の中でそう感じるように処理されて いるからだと思われます。 (実はそれも高度な画像処理なのです!)  実例をご紹介しましょう。  これは実験室を使って被験者を用いて証明した、というものではありませんが、 私が取材を続ける中で経験してきたことです。  デジタルの時代になって、私も深く写真のことを考えるようになりました。 「被写体の印象を忠実に再現するためには」 「それには結局、現場でもっとしっかり被写体を見つめることが大切」  と思うようになったのです。  そこで北海道で出会った、下のキンバイの花を作例にご紹介しましょう。  登山道のカーブを曲がって、この花が眼に入ったとき、まさに 「目に飛び込んでくるような鮮やかさ」のように感じたのです。
( photo01 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 ) (※)写真は、論点を正確に伝えるために、画像処理されています。  花を見かけたら誰でも感動して心がぱっと明るくなったように感じます。 この花もそうでした。  そこですぐ写真を撮ってしまっても良かったのですが、最近のトリコシはその 印象を後日の画像処理、RAW現像処理で正確に再現するためにと思い、被写体 をじっくり見つめていました。  するとどうでしょう。しばらくじっと見つめていると、出会った直後のような 感動が薄らいで、その花や葉の色彩が前よりも地味な印象として感じられるよう になってしまったのです。
( photo02 : Panasonic LUMIX DMC-LX2 ) (※)写真は、論点を正確に伝えるために、画像処理されています。  私は驚きました。自然の中の色彩とは絶対的なものだと思い込んでいたために、 多少ショックも感じました。  色彩の勉強を進めるうちに、人間の眼の(脳の)光や色に対する感じ方は物理 的なものではなく心理的な要素、あるいは時間変化によるものも多分に影響する という話しを知り、それが納得できるようになりました。  とすると。。。  もしあなたが、一枚の画像に対してじっくりと何分もかけて画像処理をしてい るとしたら。。  ご注意下さい!  だんだんと色彩に対する感覚が鈍くなってきて、「物足りないな、もっと彩度 を上げてみよう」と彩度アップのスライドに手を出してしまうことになるでしょ う。  私が考えるに、これが彩度の高すぎる写真が多くなってきた理由のように思い ます。  そのような時はときどき席を外して、遠くの風景を見たり、淡い色彩の絵画集 などを眺めて眼を休めてあげて「ニュートラル(中立)な状態」に戻してあげる ことが必要なのではないでしょうか。  鮮やかな写真はインパクトはありますが、長い時間、落ち着いて観賞できない ものです。  鮮やか過ぎる画像にはどうぞご注意を。  そして余談ですが、人間は必ずしも絶対的に物事を見られていない。画像処理 の例だけでなく色々な事柄について、主観的な要素にいつも影響されていて、な かなか正しい判断を下せない生き物だということにも注意しなければならないで しょう。  来週もどうぞご期待ください。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §5.その他のお知らせ =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ※ブログのバックナンバーは下記URLにアクセスするとご覧になれます。 → http://tory.com/j/others/index_mm.html
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